2020/02/10 11:10
さて、より高度な技術が必要とされるタテヨコ絣ですが、ここからまた技法が分かれていきます。
Point② 方ス式と一元式
「カタス」「ヒトモト」と読みます。なんでスだけカタカナ?わけがわかりません˚ᆺ˚
左が方ス式、右が一元式です。
分かりますか?
方スは、ヨコ糸2本とタテ糸1本を組み合わせて絣を作ります。
一つ一つの絣がT字になるのが特徴です。
一方の一元式は、ヨコ糸2本とタテ糸2本を組み合わせて絣を作ります。
絣が手裏剣のような井型になるのが特徴です。
もちろんより高度な技術を要するのは、タテ糸を2本使う一元式。
ぐーっと目を近づけて、手裏剣が見えたらおめでとうございます!希少価値の高い高級大島紬です。(老眼の人にはムリ)
さらにさらに、戦前の大島紬には、方スと一元を組み合わせた「割り込み式」という幻の織り方もあるそうですが、もちろん私はお目にかかったことはありません。
Point③ マルキ
またしても暗号か?という言葉が出てきました…
大島紬は通常1240本のタテ糸で構成されています。
その内の絣糸の割合を、マルキで表します。
何やら難しい計算式があるのですが文系の私にはちんぷんかんぷん。
あやうく挫折しそうになりましたが、ざっくり見分ける方法を書いてくれているページが!
ありがたや!
それによると、
1cmに4.6個前後の絣があれば5マルキ
5〜5.7個あれば7マルキ
7〜7.6個前後なら9マルキ
なのだそう。
数が上がるほど手間がかかる高級品となります。
よし!これなら分かる!
ということで、今回送っていただいた大島紬で数えてみましょう。
どちらも、1cmに7.5個くらいの絣が入っているのが分かりますか?
(すみません上の画像、定規を置く方向が縦横間違っていますm(;∇;)m)
ではここで復習。
先ほどのT字と手裏剣を探してください。
上はT字なので9マルキ方ス、下は手裏剣なので9マルキ一元ですね。
(下線部はぜひ声に出して読んでみましょう、スパイの気分が味わえます♫)
どちらがより高級品でしょうか。
はい正解!
下の9マルキ一元ですね!
この9マルキ一元こそが、技術的に最高の大島紬なのだそう。
(12マルキの説明をしているページもありましたが良く分かりませんでした…多分別格?お蔵入り?みたいな扱いなのか?)
と言う訳で、今回私の手元にやってきた大島紬はまぎれもなく最高峰の大島!
「むむっこれはただ者ではない!」という私の直感は当たっていたという訳です。
やったー!ありがとうございます!!ぶるぶるぶる…
想像してください。
タテ糸1240本にヨコ糸を通す、1mmほどのたてよこの絣模様をバシっと寸分狂うことなく織り込む作業を延々13メートル…(反物の長さ)
気が遠くなりませんか?
超人技としか言えませんよね…。
そらおそろしいな!大島紬!(꒪ȏ꒪;)
そしてここまでお読みくださった方に、最後に衝撃の事実をお伝えしなければなりません…
今、私がお伝えしたことは、大島紬が出来上がるまでの30〜40もあると言われる工程の、最後の仕上げの織りの部分に過ぎないということを。
この織りの作業に入るまでに、既にいくつもの工程と長〜い年月がかかっているということを…
地球が生まれてから今までが24時間としたら人類の誕生は最後の数秒、という例のあれみたいなもんです笑
そのことが一目で分かる素晴らしいページを見つけたので、許可をいただいてリンクを貼らせていただきます。
ざーっとでも良いから最後までスクロールして、ご覧いただければ分かります。私が受けた衝撃がいかほどのものかを、笑
https://www.amaminosato.jp/tsumugi/flow/
お分かりいただけたでしょうか。
これが、世界三大織物と言われるゆえんです。
こうなると、ゴブラン織とペルシャ絨毯とどっちがどうだ!と比べたくなりますね〜
誰かやってないかな〜(私はもうやだ)
ど素人、大島紬の深淵を覗くの巻き
お読みくださりありがとうございました。
卒論を書くぐらいの熱量で調べまくりましたが、もし間違っているところがあればご指摘いただけたら幸いです。