2019/03/11 14:33
昔からファッションには興味がありました。
でも、もらった服を自分の好きな形にリメイクするとかそういう方向への情熱だったので、ブランドものにお金をかけたり、品質の良いものにこだわって身につける、というタイプでは全くなく、当然のことながらシルク製品とは無縁の人生でした。
最初に着物リメイクに興味をもったのは、色柄がとても個性的で華やかで美しかったからです。
素材についてはあまり頓着がなく、最初はシルクなのかウールなのか麻なのか、はたまた化繊なのかの見分けも全くつかないところからのスタートでした。
色んな服を作って自分で着ているうちに、ウールはチクチクするから素肌に触れるようなものはダメだな、とか綿は汗をかくとなかなか乾かないから気持ち悪いな、とか、ひとつひとつ体感していき、そんな中で初めて、今まで私の人生にはなかった「絹」という素材の秀逸性に次第に魅了されるようになっていきました。
まずはなんといってもなめらかな肌触りと光沢が生み出す、気品のある質感です。
絹に似せて作られている植物系のレーヨンなどは、ぱっと見は見分けがつかないほど良くできているものもありますが、触った質感はやはり全然違います。言葉ではうまく説明できないのですが、軽くて乾いた印象のあるレーヨンに比べ、絹地はどんなに薄くて軽くても、しっとりした柔らかい「重み」を感じます。
だから薄いブラウス一枚でも、ふわっと包まれ守られているような安心感があるのだと思います。
そして絹には実際の機能面にも優れた点がたくさんあります。
例えば「吸湿速乾性」
汗を吸わずベタベタする化繊や、汗は吸うけど乾きにくい綿に比べて、絹は汗を吸ってすぐに乾かすという特徴があります。
だからいつもサラッと心地よい。
梅雨時の部屋干しでもすぐに乾くのでとても助かります。
そして「保温性」
薄手のシルクでも一枚あるとないでは大違い。とても暖かいです。
薄手の絹は何枚も重ねることによって驚くほどの保温効果を発揮します。
でもウールの暖かさとは違い、肌に直接触れると一瞬ヒヤッっとします。でもすぐに体温に馴染む感じです。だから夏場はかえって涼しく感じます。
つまり、快適な温度に体温調節してくれるのです。
それから一番驚いたのが「自浄作用」
なんと絹は、自分自身できれいになる作用があると言うのです。
はじめはそんなバカな、と思いました。
でも例えば、私が作業中ほとんど毎日はいている絹のサルエルパンツ。
毎日着っぱなしでも、いつまでたっても「そろそろ洗いたいな」と思わないのです。
ウソだろオイとしつこく臭いをかいでもw、どんなにかいでも無臭。
永遠に着続けられる気さえしてきますww
そもそも絹は「防菌・防臭効果」が高く、臭いも汚れも付きにくいというのに加え、一晩吊るしておくだけで勝手に臭いも汚れも飛ばしてくれるのだそうです!
すごいですよね!
これは、ぜひお試しいただき、ご体感いただきたいです。
あと意外なところでは「難燃性」
ポリエステルなどの石油系の化繊は、火をつけると真っ黒い煙を出しながら溶けるように燃えます。
綿や麻などの植物系の繊維は、火をつけるとぼおーっと一気に燃え広がります。
いずれもそのスピードは速く、すべて燃やし尽くすまで炎はどんどん大きくなります。
それに比べ、絹やウールの動物系繊維は、火をつけたところだけじりじりっと燃え、火を離すと消えてそれ以上は燃え広がりません。
火事の時は、まず絹に着替えたいですね…(;'∀')
防毒マスクの代わりにもなるそうですよ…(;'∀')
他にも、紫外線カットや保湿効果とか!
血圧を下げ血糖値の上昇を抑える効果とか!!←ホンマでっか( ゚Д゚)?
アンチエイジングや皮膚病の治療にも効果があるとか!!!←ホンマにホンマでっか( ゚Д゚)?
シルクさまさまですね…(≧∇≦)
欠点はただ一つ。
お蚕さまが吐き出す細ーい糸なのですから、布になるまでにはそりゃあ手間暇かかり、お高いのです。
でも!
着物リメイクなら??
お高くない(*´▽`*)
そうなのです、これこそが、着物リメイクの醍醐味なのです(*´▽`*)
余談ですが、最近、ダウンジャケットや羽毛布団の回収BOXがあるとテレビで見ました。
切り裂いて羽毛だけ取り出し、洗いにかけると元通りふわっふわに蘇るそうです。
チープなものを使い捨てるのはもう時代遅れ。
高価でも地球に優しい良いものをリサイクルして使い続けていく、それこそが本当の豊かさと思います(^・^)
★着物リメイクのMU handwork★
普段着でもなく、特別な日のドレスでもなく「ちょっと気持ちを上げたい時の日常着」をコンセプトに
華やかでポップで個性的な色柄のお着物を中心にリメイクしています。
着物を着たことがない若い人にも違和感なく着られるようなもの
かたや年齢とともに「ちょっとお洋服の力を借りたいなぁ」と感じるようになった方にも着ていただけるようなもの
自然に町に馴染むけど、少しだけハッとさせられるようなものを作りたい。
美しい日本の文化を絶やさぬために。
そんな想いで日々ものづくりをしています。
ホームページ
インスタグラム
https://www.instagram.com/mu_handwork/