2019/06/29 10:15
私の一日は、朝夫を送り出し、連続テレビ小説を見終わったところから始まる。
8時半からお昼まで、集中してミシンを踏みます。トイレに行くのも我慢してしまうくらい集中できるのがこの時間帯。
お昼を食べ少しゆっくりして、午後は体調に合わせて続きをやったり、もう集中できなそうだなと思ったら、着物を洗ってアイロンかけたり、掃除や買い物など家の仕事に切り替えます。
夜は夕飯の後、撮りためたドラマをチラ見しながら着物を解く。
だいたいこんなルーティンです。
芸術家でなくとも、何か物を生み出すというのはエネルギーがいることです。
私はこの仕事を始めてから、手のこんだ料理をするのが億劫になってしまいました。
映画を見たり、本を読んだりするのもあまりできなくなってしまいました。
おそらく一日の早い段階で、集中力を使い切っているのだと思います。
夕方以後の私はほとんど使い物にならないと思ってください( ゚д゚)ポカーン
ところが、そんな腑抜け状態でもやれてしまう、いやむしろやりたくなってしまうのが、着物の解体作業。
一針一針着物を解く作業は、確かに根気がいるのですが、何も考えずに手を動かすというのは妙な気持ち良さがある。
編み物と同じで、やり始めたら止まらない。
そして、服を作る時はどんどんエネルギーを費やすのに対し、解体する時は逆にエネルギーが溜まっていく感じがあります。
無心になって体の一部を動かすことによって体内にエネルギーが蓄積されていくというのは、農作業やお坊さんのお努めに近いことなのかも、と思ったりもします。
(また良く知りもせず適当なこと言ってますねー( ・∀・)…)
何が言いたいかというと、この解体作業こそが翌日の創作エネルギーの源になっているということです!!
一度空っぽにしてすぐまた満たすというエネルギーの循環を、一日の短いサイクルの中でやれてしまうのは、心身の健康にもとても良い気がします。
なかなか良くできているじゃないか、着物リメイク!
奥が深いよ、着物リメイク!!
私はゼロから物を生み出せるタイプの人間ではありません。
絵とか書けないし。音楽とか作れない。
何でも好きなものを自由に作れと言われたら途方に暮れます。
その点着物リメイクは、まず着物がある。この柄でこの生地感で、限られた生地幅と丈があって、この条件でさあ何ができるか?
そういうタイプの創作です。
メニュー決めて買い出しから始まる料理ではなく、冷蔵庫にあるもので作る料理。そんな感じ。
私には断然そっちが向いているのです。
それでも同じ着物には二度と出会えないし、一着一着真新しい気持ちで向き合いますので、一着仕上がるごとに味わえる達成感はなかなかのものです。
やっぱりこの達成感が一番のご褒美、かな。
これを味わいたくて、毎日毎日中毒のように、作って解いて作って解いてを繰り返しています。
★着物リメイクのMU handwork★
普段着でもなく、特別な日のドレスでもなく「ちょっと気持ちを上げたい時の日常着」をコンセプトに
華やかでポップで個性的な色柄のお着物を中心にリメイクしています。
着物を着たことがない若い人にも違和感なく着られるようなもの
かたや年齢とともに「ちょっとお洋服の力を借りたいなぁ」と感じるようになった方にも着ていただけるようなもの
自然に町に馴染むけど、少しだけハッとさせられるようなものを作りたい。
美しい日本の文化を絶やさぬために。
そんな想いで日々ものづくりをしています。
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