MUhandwork

2019/12/27 11:17

ブログのネタを探していて、そういえば2年前に行ったバルト三国の話をどこにも書いていなかったことを思い出しました。


「森とハンドクラフトの国」

そんなフレーズに導かれ、はるばる訪ねたバルト三国の思い出など今日はひとつ。


「こんなところに日本人」で、かの文句たれの千原せいじさんが大絶賛していたメルヘンチックな街並みや、食事の美味しさ、旅し易さなどお話したいことはたくさんあるのですが長くなるので置いといて、ハンドクラフトです。


さすがにハンドクラフトの国、というだけのことはあり、旧市街のお土産物屋さんには手作りを謳ったニットものや木工製品、フエルトや鋳物などで溢れていました。




いろんなお店を回り歩いて思ったのは、ハンドクラフト、と一言で言っても、これぞまさに職人技!という作品からおばあちゃんの手作り品、といったものまで、そのレベルは様々なんだなーということでした。


それに、もちろん工場大量生産のものも並んで売られていました。


そう、日本となんら変わりはないのです。


では一体何が違うか?


それは、「ハンドクラフト」ということで付加価値が付けられて売られている、ということです。


ニットなどは特に分かりやすい例ですが、機械編みのものは編み目も揃っていて細かく、一見すごく綺麗に作られています。

でも手編みとなるとそうはいかない。機械よりは編み目も荒くなるし目も揃わない、明らかに手編み、というのが分かります。


さて、日本だったらどちらに商品価値があるか。

最近は手作り市なども各地で開催され、価値をを見出す人も増えてきているように思いますが、まだまだ、「手作り品」といったら素人作品、お金を払うようなものではないという風に思う人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。


でも、このハンドクラフトの国では、作り手自身が、「手作りだから当然他より高いのよ」と堂々と言い、消費者は、編み目の揃わない手作り感満載のものこそ、素朴で味があって素敵、と探し求めて高い値を払うのです。

これこそが、「ハンドクラフトの国」と言われる一番の理由なのではないかと私は感じました。


話は変わりますが、好きなことを仕事にしていると、羨ましがられることが多いです。

確かにストレスもなく楽しんで働けるというのは恵まれていることなのだと思います。

でも実情はそれほど単純な話ではなく…

「お金を稼ぐためだったら外でバイトでもしていた方がよっぽど稼げるよー。」

などと愚痴を漏らすと、

「でもさ、好きなことをやってられるんだから幸せだよ、お金は二の次じゃない?」

と言われる。


…二の次なのか?


やりたくもない仕事を我慢してやっている人が世の中にはたくさんいて、それは本当に大変なことだしストレスで病気になったりもするし、ストレスの度合いに応じて報酬はきちんと支払われるべきだと思う。


でもその話は一旦忘れてください。今から全然別の話をします。


例えばここに、料理を作って誰かに提供しなければならない、という仕事があったとします。


二人の人が働いています。

一人は、料理が大好きな人。

もう一人は料理なんか大嫌いな人。


あなたはどちらの人が作った料理を食べたいですか?


好きであることはポテンシャルなのです。

料理が好きで好きでたまらない人の方が、きっと手際も良いし頼まれなくても勝手に研究するだろうし、お金のために嫌々やっている人と比べたら確実にパフォーマンスは高いですよね?


先ほどの話の、「ストレス給」があるのだとしたら「好きなことをやっている能力給」があっても当然と私は思います。


もちろん一番大事なのは結果です。

料理が嫌いな人と大好きな人が作った料理が、どちらもすごく美味しかったらどうでしょう?

料理大嫌いな人が、血と涙の滲む努力の結果、美味しいものを作り出していたらそれは称賛に値します。

方や、料理大好きな人が鼻歌歌いながら美味しいものを作ったら…?

あなたは好きでやっているんだからその分は天引きしてもいいよね、となりますか?なりませんよね?


値付けはいつも葛藤です。

安くしてしまうのは簡単。

でもそれでいいのか?と自分に問う。全ての日本国民に問う、笑


みんなが好きなことを楽しくやりながらちゃんと稼げる世の中になったら、本当に素敵だなと思うのです。


小さなリビングの一画でたった一人で作っている私の服が、北海道から沖縄のどこでも買える、というのはちょっとした奇跡のように思います。(先日ついにロスアンゼルスまでお嫁に行きました!)

その気になれば誰にでもできるのです。いろいろ事情をかかえて社会に出られない人にだってできる。すごくないですか?私はすごいと思います。


ファストファッションや大企業を必要としている人だっているだろうし決して否定しているわけではないのだけど、個人の可能性だって無限に広がっているんだよ、それを伸ばしていけるような社会になったら素敵じゃないかな、と思うのです。


ハンドクラフトの国の普通のおばちゃんたちが「私が作ったのよ、何時間もかけて。世界に一つしかないのよ、すごいでしょう」と胸を張る姿がずっと焼き付いている。



。。。


なんだかえらそうな文章になってしまい大変申し訳ありませんでした(*_*)


とまあ、いろいろ思うこともありつつですが日々全力で、楽しく生きています。

今まで生きてきて、今が一番幸せかもしれない、とまで言ってしまってもいいかもしれないくらいです。


お客様に

家族に

友人に

宇宙に


感謝申し上げます。

2019のしめくくりに。




★着物リメイクのMU handwork★

普段着でもなく、特別な日のドレスでもなく「ちょっと気持ちを上げたい時の日常着」をコンセプトに

華やかでポップで個性的な色柄のお着物を中心にリメイクしています。

着物を着たことがない若い人にも違和感なく着られるようなもの

かたや年齢とともに「ちょっとお洋服の力を借りたいなぁ」と感じるようになった方にも着ていただけるようなもの

自然に町に馴染むけど、少しだけハッとさせられるようなものを作りたい。

美しい日本の文化を絶やさぬために。

そんな想いで日々ものづくりをしています。

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