MUhandwork

2020/02/10 10:59

お客様のお持ち込みのお着物でオーダーを受けました。

 

たとう紙に丁寧に包まれて送られてきたのは大島紬2着。

 

リメイクの世界でも高価な部類に入る大島、私も時々仕入れはするものの、それほど数多く見て来たわけではなく、恥ずかしながら詳しいことはほとんど分かりません( ̄ー ̄)

こんな私でも、「これはただものではない!」と一目で分かる程の、これまで見てきた大島とは明らかに違うきめ細かさの2枚の大島が送られてきて、ちょっと手が震えましたよ…

 

ど、どれほどの高価なものなのですか?(((( ˙-˙ ))))

お、おいくらで手に入れたのですか?(((゚Д゚Д゚Д゚)))

知ってしまったらハサミが入れられなくなる…、と思いお客様には聞けませんでしたが、なんとなくふんわりと、薄めを開けて見るくらいの感じで(笑)、知っておいた方が良いような気がして、ちょっとだけ大島紬のこと、勉強しました。

 

独学ですしどなたの監修も受けていませんので、正しい情報か分かりません、と前置きした上で、今回学んだことを綴ってみたいと思います。

結局なんだか分からないけどとにかくすごいんだ!ということはきっとお分かりいただけるのではと思います。ご興味あればお読みください。

 

大島紬は、平織り先染めの絹織物です。

フランスのゴブラン織、ペルシャ絨毯と並ぶ世界三大織物とされています。

 

え、ほんとに?なにをもってして世界三大?

と思いますよね。

では早速、そのあたりを紐解いてみましょう。

 

大島紬にも、様々なレベルがあります。

職人の技術が結集した最高級品からなんちゃって品まで…

 

反物を買うと証紙が付いてくるので、生産地や染め方、手織りか機械織りかが一目瞭然なのですが、私の手元にやってくるのは古着のお着物なので、出どころは一切分かりません。なので目利きの力が問われるのです…(まぁ普段はあまりそこまで考えていません。奥が深すぎてとてもとても。仕入れの際は9割方、色柄の好みで選んでいます。)

 

point① 緯絣と経緯絣

さて、大島紬の見分けのポイントとして、緯絣(よこがすり)か経緯絣(たてよこがすり)かをまず見ます。

ヨコ絣はヨコ糸だけで模様を出す織り方。

タテヨコ絣はタテ糸とヨコ糸を組み合わせて模様を出す織り方です。

 上段がヨコ絣、下段がタテヨコ絣です。

違いが分かるでしょうか。

ヨコ絣は柄が滲んで流れる印象、タテヨコ絣は柄がくっきりしている印象があります。

縦線で模様を引き締めているのですね。

 

ヨコ絣はヨコ糸のみ絣糸(模様を出すためにあらかじめ染色された糸)でタテ糸は無地なので、簡易的な織り方になります。

比べてタテヨコ絣は、タテ糸も絣糸ですので、縦横両方の交差点をしっかり合わせる、より高度な技術が必要となります。

 

ですから安価で手に入りやすいのはヨコ絣の大島紬です。

 

とは言え私にとってはヨコ絣さんもとてもお高いのですが。


ヨコ絣の大島で作った作品です。

 これも。


これも。

リメイクしても独特な光沢と重厚な質感がとても美しいのです。

ではこちらのヨコ絣さんはここまでですので退出していただきましょう。ありがとうございました。


さてお次はより高度な技術を要するタテヨコ絣さんのご登場です。

その②へつづく… 


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普段着でもなく、特別な日のドレスでもなく「ちょっと気持ちを上げたい時の日常着」をコンセプトに

華やかでポップで個性的な色柄のお着物を中心にリメイクしています。

着物を着たことがない若い人にも違和感なく着られるようなもの

かたや年齢とともに「ちょっとお洋服の力を借りたいなぁ」と感じるようになった方にも着ていただけるようなもの

自然に町に馴染むけど、少しだけハッとさせられるようなものを作りたい。

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